2018年も終わることですし、書き納めにちょっとした読書日記を。
元来、読書感想文などという茶番が苦手で、賞のたぐいにはかすりもしなかった僕なので、決して文意を自らの経験に押し込めたりしません。
というか、今回読んだ『デザインのめざめ』は著名なデザイナーである原研哉氏のエッセイです。彼の深い洞察、無理のないながらもアッといわせる飛躍は、僕のちっぽけな人生になんら共通項を与えません。
今回は内容に深く触れずにいきます。
まず、デザインとは、という定義の話から。
彼いわく、デザインは情報の整理であると。この時点で僕のイメージが変わりました。発信することに重きを置き、すでにある情報へ付加価値をまがいものであってもつけるのがデザインだと思っていたのです。あまりに抽象的で、殴り書きですが、とにかくこの感動を伝えたい。いまとても眠いんですけど、集中の続かないコンディションが長い僕であっても夢中になって読ませてくれた本著をすすめてくれた友人に心から感謝したいです。
たぶん、彼女はすすめたことを覚えてないだろうけどね。
そして本書を通して、一番意識したのは、すぐれたデザインは対話であり、受け手側にも相応の考察を求められるということ。それはなにも専門的な知見でなく、素朴な疑問を突き詰めて考える営みを楽しめる余力があるかどうか。
実際に彼の講演を聞いたことがあり、テーマであった「世界を新鮮に捉えなおす」という言葉は頭の隅に疑問と共にこびりついていました。それが一気に氷解した感じ。
2019年は「再起」の一年にしたいと思っています。それは自らも、澱んだ創作も一新し、この世界を新鮮に生き直す営みです。
うーん、明日起きてから読み返して後悔するんだろうな。ひとまずおやすみなさいです。