今日もまた、傍聴席に座っている。

雑記ブログですが、主に裁判傍聴記・事件現場取材を書いています。

50km/h制限の道路を140km/h飛ばして懲役に(道路交通法違反)

私たちにとって一番身近な法律、それは道路交通法ではないだろうか。

ところが開廷表(その日のタイムスケジュール)の罪名に「道路交通法違反」とだけ書かれていると怪しいなと思う。

というのも、道交法違反はほとんどが略式裁判(100万円以下の科料または罰金の場合)で処理されるからだ。つまり正式裁判が行われるということは、被告人が不服申立てを行った可能性が高い。よって否認事件の場合がある……有罪率99%の理由の一つは自白事件の多さだ。少しでも無罪判決に出会いたければこういった事件にも注目したい。

  • 裏切られた予想

ところが予想は裏切られた。被告人(20)はあっさりと自白したのだ。

正式裁判が行われた理由は、被告人に4件の交通違反歴があり、うち一つは47km/hオーバーの罰金刑(7万円)。前科があるということだ。

ちなみにだが、違反点数6点未満の青キップで支払うお金は「反則金」であるために前科とはならない。ところが赤キップは即免許停止、罰金刑以上になって前科持ちになりなる。これが行政罰と刑事罰の違いだ。

通常、47km/hの速度超過ならば罰金は6~8万円が相場であるため、前述の罰金はまあ普通の金額といえる。

  • 遅すぎた男

被告人はとび職で、20歳の若さで一人親方をしている仕事には真面目な男である。ところが車にはルーズなようで、犯行当日、「早く帰宅したい」というだけの理由で大阪外環状線を爆走した。オービスのフラッシュにあわてて急ブレーキをかけたものの、時既に遅し。免許取り消しが決まった瞬間だ。

  • あきれた男

検察側の質問で、「制限速度がなぜあるかわかりますか?」と問われた男はしばしの沈黙の末、「わかりません」と答えた。これには検察官も絶句。「……いや、歩行者が横断していたら危ないとか、いろいろあると思うんですけど」と呆れたのち、「今後はどうやって違反しないつもりですか?」と尋ねた。これに男は「仕事に必要なので……免許を取り直して軽に乗ろうと思います」と返した。

いや、軽自動車でも高速道路に乗れるじゃん! と内心思っていたら、検察官も「軽自動車でも速度出せますよね」と指摘した。弁護側は、最近の軽自動車には100km/h以上になると警報が鳴る車もある、とフォローしたが、たぶんこの男、スポーツカーに乗っていたため電装系をすぐにいじりそうだ。

  • 即決裁判

休廷を挟んで、その日に判決が下された。これが即決裁判というもので、比較的軽微な事件は1日で審理を終わらせる。(通常、刑事裁判は2回以上開かれる)

求刑は懲役4ヶ月、弁護側は罰金刑か執行猶予を求めた。

結果は、懲役4ヶ月(執行猶予2年)だった訴訟費用は被告人に負担させると言い渡された。弁護人が国選であっても無料とは限らない。