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逮捕に至るまで
46歳の男は客として被害女性(31)と出会いました。
当初は週2~3日のペースでキャバクラに通い、毎回彼女を指名。しかし、貯金が減ったことにより段々と店に行く頻度は減りました。その代わり、LINEでのメッセージが増えていきます。
コロナ休業中にも幾度となくLINEをし、休業明けにはつきまといを始め、店から出禁を食らいます。ところが店の前に押しかけ、待ち伏せをするようになる始末。警察沙汰となり、誓約書を作成の上でストーカー規制法にもとづく警告を受けます。
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「スピード違反切符」の感覚で……
その後、男は「逮捕されるかもしれない」と思いつつも、「会いたい」「好き」「結婚してください」などと5回に渡りLINE。面会・交際を求めました。
被害者の通報により、結局逮捕。ちなみに出禁後にLINEの返信は一切無かったそうな。ストーカーの心理がよくわからない……。
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無敵の人
拘置所のペラペラな服を着て出廷した被告人。前述のように「警告はスピード違反切符の感覚だった」と述べ、逮捕されるまで迷惑をかけたことに気づかなかったと振り返ります。貯金は底をつき、職も失ったそうです。
私見ですが、若いうちに恋愛へ免疫をつけておかないとこういう結果を招くのかも?
「今考えるといきすぎていた。今後は相手の気持ちを考えたい」と被告人は釈明しました。
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判決
検察側は罰金30万円を求刑。弁護側は前科前歴がないことから執行猶予を求めました。
結果は、罰金25万円(未決勾留日数50日を1日5000円として換算)でした。
少し説明を加えると、これは捕まっていた期間を計算してあげて罰金を払わなくて済むようにした判決です。被告人は無一文ですからね。
一応の理由としては、悪質性が低いことなどが挙げられました。
ただ、この被告人。お金も無い、仕事も無い、いわゆる無敵の人です。法廷で吐露した「まだ好き」という感情が刃を向けはしないかと心配になった一件でした。