今日もまた、傍聴席に座っている。

雑記ブログですが、主に裁判傍聴記・事件現場取材を書いています。

13歳の長男を誘って3Pした夫婦(児童福祉法違反)

  • 刑事裁判:大阪地方裁判所、第15刑事部2係、新件~判決
  • 罪名および罰条:児童福祉法34条1項6号(児童に淫行をさせる行為)違反による罰則(同法60条1項)
  • 事件の概要 

金属加工業の男と性風俗業に従事している女(共に50代に見えるが氏名年齢非公開)は夫婦であるが、2020年4月~8月の間に枚方市の自宅にて、母親が長男(13)に対して計3回フェラチオを行い、計2回膣内性交をした。長男が大阪府中央子ども家庭センターに相談したため事件が発覚。両親共に罪を認めている。

この家には他にも下の兄弟3人がいたのだが、両親は子が見ていても夫婦の営みをやめることはなかったという。2020年6月か7月に父親は3Pしようと提案。長男は嫌だったが父が怒るとかなり怖い人間であるために(怒鳴り声で通報されたことさえある)しぶしぶ同意し、母親も若干の抵抗があったものの従うことにした。父親の目的というのは、性教育のためと仲良くなるためであり、実際のところは妻を寝取られたいが他人にされるのは嫌で、身内ならいいという考えの元でもあった。事前に行われていたフェラチオも父親の指示である。母親は3P自体を悪いとは思っていなかったという。

この夫婦は交際20年で(これがなんの期間なのかもはや誰も聞かなかったが)、妻は夫に逆らったことがないという。夫婦共に前科前歴は無い。

 

書いていてめまいがしてきたが、これが実話だから困る。所々の疑問が蓄積して書いてる側も読む側もカロリーの多さに参ってしまう。今回は、裁判の進行通りに証言を並べ、あえてまとめずに謎をひとつひとつ問いていこうと思う。

  • 父親の母の証言

「息子は長男が大好きで、真面目なあまりの過ちだと思います」検察は真面目だとなぜこうなるのか尋ねた。答えは「真面目なあまりのしつけ」

  • 父親の勤務先の社長

働きぶりは真面目で、拘置所に面会にも行ったという。(ちなみに入社3週間しか経っていない)今後も継続して雇用するとし、服役することになっても出所後に再雇用したいと語った。めちゃくちゃいい会社……。

  • 被告人男(父親)

事の発端は包茎治療であることがわかった。というのも、自分が小さいとき包茎だったらしい。(最後まで何包茎か話さないことからこの男の理解度の低さが窺える)ともかく長男が小6か中1のときに剝こうとして(主語が誰なのか誰も尋ねなかった。法廷は法曹3者があきれすぎて物も言えない状態だったのだ)炎症を起こしてしまい、通院。父親は、唾液があったほうがいいと思い、妻にフェラチオを依頼した。これには理由があってネットで”ショタ食い”というのを見て鵜呑みにしてしまい、愛し合っている母子ならよいと思ったという。見られるのは恥ずかしいだろうと思い、実行時に父は不在だった。常識と非常識のバランスがよくわからない。

しかし、ショタ食いの知識と自分の欲求で3Pを画策してしまった。あくまで長男のためとは弁明していたが。3Pをお願いしたときは母子共に驚いていたが、自分が命じたから従ったのかなと思う、と述べていた。わかってるんだからやめればいいのに。両親が全裸の状態で母親が長男のパジャマを脱がせ、父親が「挿れろ」と言って見守る形での性交となった。時間は夜10時以降。そしてなんとコンドームは未使用。

捜査段階で一連の行動が間違えていると知り、「妻にも息子にも誰にも言えないトラウマを与えてしまった。一生消えない傷を負わせてしまった」と侘びた。今後は性障害専門医療センターに通院したいという。

検察官は他の方法を取ろうとは思わなかったのかと正したが、性交が一番いいと思っていたと回答。悪影響とも思わなかったと振り返った。”ショタ食い”という言葉はエロ漫画で知ったと父親は語り、検察がそこで起きていることを実際にしていいのかと問うと、沈黙。「ショタ食いはAVやエロ漫画で使われる表現」であると再度指摘した。

  • 被告人女(母親)

夫から優しく「治すためにしてあげたら?」と言われ、長男が中学に上がってからすぐフェラチオを始めたといい、「皮がかぶっていて治してあげようと思った」。彼女の実母は子どもたちからもおばあちゃんとして慕われていたのだが、勾留中の令和2年12月に亡くなった。孫は祖母に、子は親の死に目に会えなかったのだ。その罪は重い。

検察には一度フェラチオを断った理由を聞かれ、当然だが「自分が恥ずかしかったから」。性教育として性交するのは家族なら許されると思うが、指示が無かったらやらなかった。夫は自分のことを考えてくれる優しい人。と、最後まで夫への愛情をにじませた。

  • 検察側主張(論告求刑)

父親は歪んだ性癖を父親という立場を利用して、その性的欲求を満たそうとし、強度な淫行を何度も繰り返したのであって犯行の態様は極めて悪質であり、被害者に将来に渡って悪影響を及ぼすものでその結果は重大であるとし、被告人両名に対し、懲役4年を求刑。

  • 弁護側の主張(最終弁論)

まず男についてだが、逮捕されてから重大さに気づいたもので、違法性を知らず、家族が離散したことですでに社会的制裁は受けている。更生環境があり再犯のおそれもないことから執行猶予を求めた。

女については、前述の通り母と死別したが会うことが叶わず、子との同居はもはやできないことから社会的制裁を受けているとして寛大な処分を求めた。(被告人2人のため弁護人がひとりずつついている)

  • 最終陳述

父親「僕たち夫婦がやったことだが、妻だけでも許してやってほしい」

母親「また家族みんなで暮らせていけるようにしたい」

  • 判決

両名ともに、懲役2年6ヶ月(未決勾留日数30日算入)となった。

理由としては、両親としての立場を利用し、実子の健全な育成を阻害しており、父の発想は歪んでおり強い非難に値する。不健全な価値観の結果であり、犯情が悪く前科は無いが実刑とせざるをえない。とのことだった。

 

監護者性交等罪が新設される前の事件を児福法で裁いているのを何件か見ているのだが、今回のような特異なケースは量刑の相場が検討もつかなかった。

母親が願ったように元の家族には戻らないだろうが、それが子にとってのせめてもの幸せにつながってほしいと思う。